哺乳類(クジラなど)が海にいる理由。進化の不可逆性によるフォルム

海にはクジラやアシカ、ジュゴンやラッコといった多くの哺乳類が生息しています。哺乳類の為、海面上の空気を吸って肺呼吸をする必要があり、効率が悪く感じられます。それでもなお、陸には上がらず、エラ呼吸もせず海の中で暮らし続けているのはなぜでしょうか。

その理由には、進化の不可逆性が大きく関わっていました。

 

進化の不可逆性とは
一度変化させた器官は、元には戻せないという進化の法則の1つです。

 

現在陸地を生活圏としている生き物も、全ては海から始まったと言われています。そして現在海で生活している哺乳類は、元々陸で活動していたものが海へと帰っていった種類だとされています。
つまり、最初は海でエラ呼吸をしていた生き物が徐々に陸上へと進出し、陸上で肺呼吸、胎生、授乳などができる体を手に入れました。しかし、海の方が生きる上で都合が良くなったため海へ戻る事にしたのですが、一度変化した器官は元には戻せず、哺乳類として海で生活する事になったのです。

 

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鯨類の祖先として、現在分かっている中で1番古いものはパキケトゥスという哺乳類だと言われています。

 

約5300万年前。何らかの生き物が海から陸へと生活圏を移そうと進化し、パキケトゥス アトキットが誕生しました。四足歩行で、主に淡水の水辺に近い陸地を生活圏としていました。犬やオオカミのような外見をしていたと考えられています。

 

約5000万年前。パキケトゥスから進化した、アンブロケトゥス ナタンスが誕生していました。歩くにも泳ぐにも適した体になっており、陸地、淡水域、汽水域で活動していたと推定されています。少し足の長いワニのような外見で、哺乳類独特の上下動での泳ぎ方をしていたと考えられています。足には水かきもありました。

 

約4900万年前。さらにレミングトノケトゥス科へと進化し、さらに5属へと枝分かれしました。レミングトノケトゥス科の動物は、四つ足はあるものの生活圏を水生へと変えるべく、水中で多くの時間を過ごしていたと考えられています。

 

約4600万年前。さらにプロトケトゥス科に進化しました。前足は細く後ろ足は太短く、ヒレを持つようになり陸上生活には適さない体型になりました。

 

約4100万年前。バシロサウルス科のドルドンが誕生しました。ドルドンの尾は完全に尾ビレとなり、前足はヒレになり後ろ足はほぼ退化していました。鼻孔の位置も後ろへと移動しており、現在の鯨類と同じような形をしていたとされています。
現在発見されている化石で鯨類につながる1番新しいものがこのドルドンです。

 

その後、3400万年前になんらかの理由で気候変動が起こり、海水温の低下や海退が起きたと言われています。それによって多くの生き物が絶滅しました。枝分かれしていた数種類と共に、ドルドンは生き残りました。
その生き残った種類から、今のハクジラ(マッコウクジラ、シャチ、イルカなど)やヒゲクジラ(シロナガスクジラ、ザトウクジラなど)に枝分かれしていったとされています。

 

 

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肉食だった鯨類の祖先は、豊富な餌を求め海へと進出したと言われています。
ジュゴンやマナティの祖先はデスモスチルスというカバのような生き物で、敵から逃れるために海へ適応したと言われています。
アシカやラッコなど鰭脚類の祖先の化石は、1番古いものでも2700万年前のエナリアークトスで、既にアシカのような体型をしています。
こういった理由から、哺乳類も海にいるのです。

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