お盆の海は別名「地獄の釜の蓋が開く」実はクラゲが一番危険?

『お盆の海は危険だから行ってはいけない』というのは、誰もが1度は聞いた事があるのではないでしょうか。

たくさんの言い伝え、危険と言われている内容、実際のお盆の海、それぞれを照らし合わせ、なぜ行ってはいけないと言われるのかその理由を突き止めたいと思います。

 

??主な言い伝え??
・お盆に泳いでいたら一緒に向こうの世界へ連れて行かれる。
・海の底から手が出てきてあの世へ引きずり込まれる。
怖い…。怖いですね。
そもそもお盆とはご先祖の霊を祀る行事であって、ご先祖があの世からこちらへ戻ってくる期間とされています。
しかし、子孫がいないなどの理由から帰る場所のない霊はさみしく、海など地に足のつかない場所で泳いでいる人を道連れにする、という内容です。

 

・地獄の釜の蓋が開く
響きが怖すぎます。
これは、釜の蓋が開く事で地獄にいた霊もあの世とこの世の行き来が出来ると言われており、上の内容と同じように、海で泳いでいるとその霊にあの世へ連れて行かれる、しかも地獄から来たのだから、さらに怖い。という内容です。

 

??危険と言われている理由と実際の海??
お盆の海は本当に危険、と様々な理由が挙げられています。主な理由として、土用波、離岸流、海水温、クラゲ、水難事故件数です。
実際のところ、どうなのでしょうか。

 

・土用波
『突如として大波が来てさらわれる』
土用波とは、夏の土用の頃に起こる高い波とされています。しかし、原因は台風と大潮だと解明されているのです。台風が通り過ぎた後は、すっきりと晴れる事が多いですが、沖合ではまだ強風が吹き荒れていたり、台風が通過した際のうねりが残っているのです。
そして、波は不規則なようで実は定期的にまとまって大きな波がきており、そしてその大きな波の何十本かに一本は、倍ほどのさらに大きな波がくるのです。
しかし、波の事を知らずに晴れたからと海水浴に行くと、突然大きな波が来て対処できずにさらわれてしまう、という事だと予想できます。
ですので、お盆に限らず台風などの条件が重なった日が危ないという事です。また、お盆にその条件が当てはまらない事もあります。

 

・流れが早くなる
『お盆の頃は潮の流れが変わり、離岸流がきつくなるため沖に流される。』
これは、上の土用波に付随する内容だと思われます。
流れが早くなる原因として、波のサイズが大きるなる事があげられます。
波が大きいという事は波自体の体積が増え水の量が多いので、浜に打ち寄せる波が大きければ、その分沖に帰っていく水の量も多いため流れる力も強くなります。
つまり台風などで波が大きくなると、必然的に流れも強くなるという事です。また、引き波やまき波などで足元をすくわれ、そのまま海に引きずり込まれるという事も想定されます。
特にお盆特有の潮の流れがある事は発見できませんでしたので、これもお盆に限ったのものでは無いと言えそうです。

 

潮の流れで見分ける危険な波!離岸流や逆潜流について

 

・水温が下がる
『お盆のころから急に水温が下がるため、足がつったり心臓麻痺を起こす』
これも土用波に付随する内容なのでしょうか?台風など雨が降った翌日を除くと、ありえません。
海の水温は実際の気温よりも2ヶ月遅れて来る、とよく言われるのですが、お盆以降に実際に海に入っても急激に冷たいと感じる事はありません。
気象庁のデータでは、海面水温は8月下旬?9月上旬が最も高いとされています。

 

・クラゲが大量発生する
『お盆以降はクラゲが大量発生し刺される』
これは、目安としては正しいと言えます。クラゲは20?30℃の水温で活動し始めます。水温により時期が早かったり遅かったりしますが、目安としてその水温になるのがだいたいお盆の頃という事です。

 

・水難事故が多い
『実際に調べたら7月、8月の水難事故での死亡者数が増えるため、やはりお盆には海に行かない方がいい。お盆辺りの水難死亡者数が多いため、やはりお盆は危険』
このような内容をいくつも発見しました。
7月、8月の水難事故での死亡者数が増えるのは、川や海などのレジャーが増えるためです。これは容易に想像できます。
しかし、お盆辺りに死亡者数が増えるというのが気になります。
事実であれば、やはり言い伝え通りなのかもしれません。
警察庁のデータによると、

 

2016年 7月?8月 (盆除く)
海での死亡、行方不明者数 128人
1日あたり 2.3人

 

お盆時期の8/11?8/17
7日間での死亡、行方不明者数 34人
1日あたり 4.9人

 

これだけ見ると、お盆辺りの死亡者数が著しく多いように見えます。

おそらくこういった情報から、お盆は危険と言われているのでしょうか。このような数字で表されると、現実味を帯びてきます。
しかしみなさんは、お盆の海水浴場は混雑するというのを聞いた事はありませんか?海水浴の客数が増えると事故も増えるという事です。そこで海水浴客数を調べたところ、茨城県の資料に日毎のデータを発見しました。これによると、

 

2015年
7月?8月 30日間の客数(盆除く)
合計 520.867人
1日平均 17.362人

 

8/11?8/17 お盆辺り7日間の客数
合計 186.321人
1日平均 26.617人

 

2014年
7月?8月 35日間の客数(盆除く)
合計 506.422人
1日平均 14.469人

 

8/11?8/17 お盆辺り7日間の客数
合計 247.849人
1日平均 35.407人

 

2015年は関東方面でサメが出ていた影響でお盆の客数が少なめですが、やはり、2年続けてお盆辺りの客数がかなり増えています。このように割合で見ると、お盆だけが危ないとは言い難いです。

 

 

以上の事から、お盆特有の注意事項はクラゲのみという事です。
その他の危険事項は、お盆に限らず常に注意が必要なため、お盆は危険で、お盆で無ければ安全という事ではないと言えます。

 

海の怖い話〜集団水難事件〜ダイビング中の事故〜

 

 

この事を踏まえ、『お盆の海は危険だから行ってはいけない』と言われ続ける理由を考えてみた結果、
日本人には仏教徒が多いです。
そして、川や海は霊の通り道と言われており、お盆に通り道を塞いでは霊の邪魔になる。また、そういった場所で期間中にわいわいと遊ぶのは不適切だ、と考える方が多かったのではないでしょうか。その他、親が子供に、遊びに行かずきちんと供養をさせるために言っていたなども考えられます。
現代ではそういった信仰心が薄れているにもかかわらず、言い続けられているのは、ネットなどで、本当にお盆の海は危険だという記事が多く、その影響なのかもしれません。

 

先代の方々が言いたかったのは、物理的に危険だという事ではなく、『きちんと供養しなければ、ご先祖も天国には行けず、自分にも災いが起こる』という意味だったのではないでしょうか。

 

お盆休みに海に誘われた時、少しでも不安だった場合は行かない事をおすすめします。
心配事がある時は、楽しめませんし注意散漫で思わぬ事故にあう可能性が高くなります。

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