鳥類であるペンギンが海に適応できた理由!人間の3倍以上の酸素を体に溜められる?

ペンギンは主に、南極から赤道付近までの南半球に生息する海鳥の一種で、鳥類の中では最も潜水能力が高い動物です。

鳥類最高の潜水能力を持つコウテイペンギンは、20分以上、500m以深も潜り活動する事が可能です。

 

鳥類であるペンギンが、海の中で活動できるようになった大きな要因として、空を飛ぶ能力が消失した事だと言われています。

 

大昔はペンギンの祖先も空を飛んでいました。飛ぶ能力を失ったのか捨てたのかは不明ですが、最も有力で広く知られている説では、飛ぶために使っていた翼を海で泳ぐのに適した形に進化させ、その結果潜水能力が飛躍的に高くなり飛ぶ能力が消失した。というものです。

 

 

翼だけでなく、体の様々な機能が海に適応しています。

 

・翼と骨
竜骨突起と言われる、空を飛ぶ鳥類特有の骨格はペンギンにもあります。
通常、鳥の翼は空を飛ぶためにたくさんの羽があり、大きく発達しています。骨も軽量化のため中が空洞になっていますが、ペンギンは海に潜るため軽い骨では浮いてしまいます。そのためペンギンの骨は密度が高く重さと頑丈さを保っています。
ペンギンの翼はフリッパーと呼ばれ、泳ぐ事に特化した形になっています。上腕骨は他の鳥に比べ短く頑丈になっており、上腕骨から先の関節はほとんど曲がらず固定された状態です。そのためフリッパーは頑丈なオールのようになっているため、水の抵抗を受けても骨折せず推進力を無駄なく発揮できるのです。

 

・羽毛
ペンギンの羽毛は他の鳥に比べて硬く短いもので、それぞれ1本ずつがフックのような形をしています。それが体表に隙間なく密集しており、海に入り水圧を受けるとそのフックが絡み合う事で、体を覆うカバーのようになるため、羽毛の下の皮膚には直接海水がつきません。
また、ペンギンは尻尾の付け根にある尾脂線から脂を分泌します。毛づくろいの際にこの脂を使い、口ばしで羽毛に防水処理を施しているため、ペンギンの毛は水がよくはじきます。

 

・筋肉と脂肪、体型
ペンギンは鳥と同じく胸筋が発達しています。鳥は空を飛ぶため、ペンギンは海を泳ぐために同じ箇所の筋肉が発達したのです。
しかし、皮下脂肪は全く異なります。鳥は重くなると飛べないため軽量化を図りますが、ペンギンは厚い脂肪で覆われています。この皮下脂肪と羽毛の効果により体温低下を防いでいるため、長時間海の中にいても体温が下がりません。
また、ペンギンの足の骨は膝で曲がり胴体部分の脂肪に覆われ隠れています。(見えている部分は足首から下くらいです)このため特徴的な体型をしていますが、これは流線型と言われる形で泳ぐ際に水の抵抗が少ない形なのです。

 

・目
ペンギンの目は水陸両用です。
角膜が比較的平らなため屈折率の変化が少なく、ピント調節の機能も高いため、陸上でも海中でも適応できます。
また、水中では瞬膜と呼ばれる膜を使い目を守っています。

 

・塩類線(えんるいせん)
ペンギンには口ばしの付け根あたりに塩類線と呼ばれる器官があります。これは、体内に取り込んだ海水の塩分を排出する機能です。餌の魚と一緒に海水を取り込んだり、水分補給として海水を飲む事もあります。そのままでは塩分濃度が高すぎるので、余分な塩分を排出するのです。(首をプルプルと振って鼻水のように飛ばします)

 

・体の色
ペンギンの体は白と黒のツートンカラーをしています。
これは、海の中で保護色の効果を発揮します。自分より上にいる外敵には背中側が見えるため、深海の暗い色に紛れる事が出来ます。自分より下にいる外敵には腹側が見えるため、太陽光の白い光に紛れる事が出来ます。
その他に、餌である魚にこのツートンカラーを見せ、脅かし撹乱する事によって効率的に捕食するといった効果もあります。

 

・酸素保有量と消費量
ペンギンは人間の約3倍以上の酸素を体に溜め込む事が可能です。
そして、潜水時は酸素の消費量を大幅に抑える構造になっています。
ペンギンは脂肪や羽毛によって断熱効果があるため、酸素を使った代謝エネルギーによる体温維持の必要がありません。

 

 

ペンギンは、このような体に進化する事で海に適応しています。

 

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鳥類は空を飛ぶという素晴らしい能力により、生存競争を勝ち抜いてきましたが、環境によってはそれだけが唯一の手段というわけではなさそうです。

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